野良研究者の備忘録

経営学と材料加工が専門の企業研究者ナニガシが思うことを語る場

【博士その後】大学→企業のギャップ:読めない論文が多すぎて辛い話

 

こんにちは、nekoaceです。

 

今回は、社会人博士取得した管理人が、大学/企業兼務から100%企業勤務になって感じた不満について書きます。

 

 

 

 

論文読むのも博士の仕事

博士課程在籍している研究者は、もちろん論文を書くことが最大の仕事です。良くも悪くもアカデミアの人間は論文の質と数が人権・・・もとい評価に直結する指標です。

良い論文をたくさん書くためにはたくさん論文を読まなければいけません。管理人の場合は、社会人博士でしたのでフルタイム学生に比べて読んだ論文数も少なかったと思います。それでも博士在籍していた3年間で800本ほどは読みました。

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読むべき論文の探し方はいくつかありますが私は以下です。

Google Scholarで論文検索:多分一番一般的です。キーワード入れてポチポチやれば無限に出てきますので。

・学会などで聞いたことのある人の名前で論文検索(Google Scholarとか):これもよくやります。研究室入ったばっかりのころは研究室で自分と似たような研究をしてた方の論文を片っ端から落としてました。そこから段々と他大学の研究者に調査範囲を広げていきました。

・自分が良く見る論文誌はお気に入り登録して新刊出るたびにチェックしてました(その後、Google Scholarのレコメンド機能を知ってから段々使わなくなっていきましたけど)

とまあ、色々やってひたすら関連論文集めるわけです。

で、そんな生活を3年以上続けていると、新しい論文をチェックする癖がついていて、二週間も論文チェックできていないと世界からおいていかれてるような気分になるのです。

論文読みたい・・・!

 

論文の落とし方

論文というもの。研究経験長い方でないとなかなか馴染みがないかもしれませんが、大学にいるとほぼ無条件で閲覧し放題なのです。というのも大学が論文発行している大手出版社と契約していて、学内ネットワークから閲覧すると無料で全文閲覧できるからです。

仮に大学所属していない場合でも、最近は結構落とせる論文があります。それはいわゆる Open Access と呼ばれる形式で発表されている論文で、これは論文の著者が論文投稿時にいくばくかお金を払って(私の分野だと大体30-50万円くらい)、論文を無料公開する権利を買っているのです。なんで大金払ってそんなことするのかというと、上でアカデミアは論文の数と質が人権だと書きました。”質”は、その論文がどれほど研究の世界で役に立っているか、つまり何回くらいほかの論文で引用されているかが指標だから、そもそも多くの人に呼んでもらわなければいけないから、お金払ってでも最初の読者を広げたい、ということです。

 

企業入るとどうなるか

さて、私が感じる最近の悩みです。

 

会社で読める論文が全然ない!!!

 

私が今いるところ、材料の会社で結構競争力ある大きい会社なんです。で、先日いつものように、Google Scholarのレコメンドから読みたいのポチポチTab追加して開いていくとですね、NGの嵐でして。大体読みたい論文の20%くらいしか開けませんでした。先述のOpenAccessだけ読める感じです。

 

これ困るんですよー。

博士でやってた研究とドンピシャ近い開発が会社でできると聞いて入社してるんです。とすると会社からしても私には研究の世界の常識を会社に注入することもジョブディスクリプションに入っていると認識していたんですが、これじゃ、研究の世界から離れるばかり・・・

 

困ったなあということですが、取りうる対策考えると二つです。

国会図書館で紙プリントしまくる国会図書館(国会議事堂の隣)までフィジカルで行くとほぼ100%に近く論文閲覧できます。で、データでは落とせないんですが、窓口で頼むと紙で印刷してくれて持ち帰れます。私一時期通ってましたので。これデメリットは移動費と印刷でちょっとお金かかること。

②会社の文献複写の仕組みで紙論文を取り寄せる:この機能、上記国会図書館でもありますが、大企業でも結構あるみたいですね。こういった論文とかの取り扱いを管轄にしてる部署にお願いすると紙資料を取り寄せてくれます。デメリットは依頼してから手に入るまで1週間くらいかかること。

 

私結局②にしたんですが、これはこれで結構めんどくさいですね。手間はまあしょうがないんですが、手元に届くまで一週間もかかるともう何を知りたかったのか忘れてたりするので。

その場で論文開けると追加で別の読みたいのに飛べたりその場で思考が進むんでやっぱり便利。

 

大学みたいな論文読み放題の環境はめちゃくちゃ貴重ですぜ、という話です。

私もじき上司に相談して月一位で国会図書館通いたいなあと思っています。(ちなみに周囲でそんなに論文読みたがってる人の前例がないのでこの説明はそれはそれで面倒くさい)

 

私のN=1ですが、企業研究者の現実を知る一つになればと思って書きました。

たまーに、大学時代が懐かしくなりますね。

 

ではまた。

 

nekoace